市販の漢方ダイエット商品は、ドラッグストアや薬局で手軽に購入できる便利な選択肢です。医療用漢方薬と比較して、価格や入手しやすさにメリットがあります。本記事では、市販で購入できる漢方ダイエット商品の種類と特徴、効果的な選び方、医療用との違いについて詳しく解説します。
市販漢方ダイエット商品の種類と特徴
市販の漢方ダイエット商品は、大きく分けて第2類医薬品、第3類医薬品、健康食品・サプリメントの3つのカテゴリーに分類されます。それぞれに特徴があり、効果や安全性、価格帯が異なります。
第2類医薬品として販売されている漢方薬は、防風通聖散、防已黄耆湯、大柴胡湯などがあります。これらは医療用漢方薬と同じ成分を含んでいますが、含有量が調整されています。ツムラ、クラシエ、小林製薬などの大手メーカーから発売されており、1ヶ月分で3000〜5000円程度が相場です。薬剤師または登録販売者からの情報提供が努力義務となっており、比較的効果が高い反面、副作用のリスクもあります。
第3類医薬品は、第2類医薬品よりも副作用のリスクが低いものが分類されています。センナ茶や便秘改善系の漢方薬が多く、価格は2000〜3000円程度と比較的安価です。情報提供は任意となっており、インターネットでも購入可能です。
健康食品・サプリメントとして販売されている商品は、医薬品ではないため効果効能を謳うことはできませんが、漢方由来の成分を配合したダイエットサポート商品として人気があります。プーアール茶、杜仲茶、ハトムギ茶などのお茶類や、複数の生薬エキスを配合したサプリメントなどがあります。価格は1000〜3000円程度と幅広く、継続しやすい価格設定のものが多いです。
市販品の最大のメリットは、医師の処方箋なしで購入できる手軽さです。また、複数の商品を比較検討でき、自分のペースで始められることも魅力です。一方で、医療用と比較すると成分含有量が少ない場合があり、効果を実感するまでに時間がかかることもあります。
人気市販商品の効果と成分比較
市販の漢方ダイエット商品の中でも、特に人気の高い商品について、成分と効果を詳しく比較していきます。
防風通聖散系の市販品
防風通聖散は、18種類の生薬から構成される漢方薬で、肥満症の改善に最も広く使用されています。ツムラの「コッコアポEX錠」、クラシエの「新コッコアポA錠」、小林製薬の「ナイシトールZ」などが代表的な商品です。これらの商品は、満量処方(医療用と同じ成分量)のものと、2/3処方、1/2処方のものがあり、価格と効果のバランスで選ぶことができます。満量処方の商品は1日あたり150〜200円程度で、便秘改善、むくみ解消、脂肪燃焼促進の効果が期待できます。
防已黄耆湯系の市販品
防已黄耆湯は、水太りタイプの肥満に効果的な漢方薬です。ツムラの「ビスラットゴールドEX」、クラシエの「防已黄耆湯エキス錠」などが市販されています。価格は1日あたり100〜150円程度で、防風通聖散よりも穏やかな効果が特徴です。むくみやすい、汗をかきにくい、疲れやすいという症状がある方に適しています。
健康茶・サプリメント系
医薬品ではない健康食品として、様々な商品が販売されています。山本漢方製薬の「ダイエットプーアル茶」は、1日あたり30〜50円と経済的で、脂肪の吸収を抑える効果が期待できます。DHCの「フォースコリー」は、コレウスフォルスコリというインドの伝統医学で使用される植物エキスを配合し、1日あたり60〜80円程度です。ファンケルの「大人のカロリミット」は、漢方由来成分と機能性関与成分を組み合わせた商品で、1日あたり100円程度です。
市販品と医療用漢方薬の違い
市販品と医療用漢方薬には、いくつかの重要な違いがあります。これらを理解することで、自分に適した選択ができるようになります。
成分含有量の違いが最も大きな相違点です。医療用漢方薬は、エキス剤の場合でも生薬換算で規定量が含まれていますが、市販品は満量処方でない場合が多く、1/2〜2/3程度の含有量となっています。これは、安全性を重視した結果ですが、効果を実感するまでに時間がかかる要因にもなっています。
価格面では、医療用漢方薬は保険適用となるため、3割負担で1ヶ月1000〜2000円程度ですが、市販品は全額自己負担で3000〜5000円程度かかります。ただし、医療機関の受診料を考慮すると、トータルコストは同程度になることもあります。
品質管理の面では、医療用も市販品も厳格な基準で製造されていますが、医療用の方がより厳しい規格が設定されています。また、医療用は医師の診断に基づいて処方されるため、体質に合った漢方を選べる可能性が高くなります。
副作用が発生した場合の対応も異なります。医療用の場合は医師に相談でき、医薬品副作用被害救済制度の対象となりますが、市販品の場合は自己責任の部分が大きくなります。ただし、第2類・第3類医薬品も救済制度の対象となっています。
市販漢方ダイエット商品の選び方ガイド
自分に合った市販漢方ダイエット商品を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
まず、自分の体質を正確に把握することが重要です。薬局の薬剤師や登録販売者に相談し、実証・虚証の判定をしてもらうことをおすすめします。簡単なチェックリストとして、暑がりで便秘がちなら実証タイプ、冷え性で疲れやすいなら虚証タイプと判断できます。
次に、目的と期待する効果を明確にしましょう。便秘解消を主目的とするなら防風通聖散、むくみ改善なら防已黄耆湯、脂肪吸収抑制ならプーアール茶系など、目的に応じて選択します。
予算も重要な選択基準です。1日あたり50円程度の健康茶から、200円程度の満量処方の医薬品まで幅広い選択肢があります。継続が重要なので、無理のない価格帯を選びましょう。
購入場所も考慮すべき点です。ドラッグストアでは薬剤師に相談でき、実物を確認できます。インターネット通販は価格が安く、定期購入で割引が受けられることもあります。初回は店頭で相談し、継続時はネット購入という使い分けも有効です。
飲みやすさも継続の重要な要素です。錠剤、顆粒、お茶など、自分が続けやすい形状を選びましょう。味が苦手な場合は、錠剤タイプがおすすめです。
まとめ
市販の漢方ダイエット商品は、第2類医薬品の防風通聖散や防已黄耆湯から、健康食品のプーアール茶まで幅広い選択肢があります。医療用と比較して成分含有量は少ないものの、手軽に始められることが最大のメリットです。人気商品では、満量処方の防風通聖散系が1日150〜200円、健康茶なら30〜50円程度で購入できます。選び方のポイントは、自分の体質把握、目的の明確化、継続可能な価格設定です。薬剤師への相談を活用し、実証タイプなら防風通聖散、虚証タイプなら防已黄耆湯を基本に選びましょう。市販品でも3ヶ月以上の継続により、確実な体質改善効果が期待できます。
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